ガイマン賞2017トークイベント「ガイマン賞2017結果発表!」レポート

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毎年日本国内で翻訳出版された海外マンガ、外国マンガの中から、読者が投票して年間大賞を決めるイベント「ガイマン賞」。2017年で6回目を迎えるこの賞の結果発表イベント「ガイマン賞2017結果発表!」が2017年12月16日(土)に米沢嘉博記念図書館で行われました。

会場となった米沢嘉博記念図書館は、明治大学のマンガとサブカルチャーの専門図書館。COMIC STREETでは以前にも、同館の「チェコ・コミックの100年展―100 Years of Czech Comics」関係の展示やイベントなど、数度にわたって紹介させていただいた施設です。

明治大学 米沢嘉博記念図書館外観

COMIC STREETで紹介した過去の米沢嘉博記念図書館開催イベント:
「チェコ・コミックの100年展―100 Years of Czech Comics」訪問レポート
「チェコ・コミックの100年展―100 Years of Czech Comics」第2期訪問レポート
講演「チェコ・コミック通史-20世紀を生き抜いたチェコ・コミック-」レポート(1)
講演「チェコ・コミック通史-20世紀を生き抜いたチェコ・コミック-」レポート(2)

今回のイベント「ガイマン賞2017結果発表!」の出演者は、ガイマン賞2017の「センバツ!作品賞」で1位に輝いた作品『マッティは今日も憂鬱』を翻訳された翻訳者の柳澤はるかさん、同じく「センバツ!作品賞」で2位だった『HERE ヒア』を編集された国書刊行会の編集者の樽本周馬さん。そして司会を務めるのはのガイマン賞の実行委員を務める、翻訳者の原正人さん(このCOMIC STREETの編集長でもあります)のお三方。

司会の原正人さん(左)、翻訳者の柳澤はるかさん(中央)、編集者の樽本周馬さん(右)

ガイマン賞2017の概要

2017年のガイマン賞は、2016年の9月から2017年の8月の間に発売された海外マンガ、外国マンガを対象に、2017年10月から11月までの2カ月間にわたって行なわれた読者投票に基づいて賞が決定されました。また今回からの新しい試みとして、ガイマン賞が選んだオススメ作品が投票対象とされる「センバツ!作品賞」、その他の作品が投票対象になる「読者賞」の二賞が設けられました。他にも長年にわたって海外マンガ、外国マンガの紹介に携わって来られた小野耕世さんが選考する「小野耕世特別賞」があります。

「ガイマン賞2017」の結果が掲載された冊子

ガイマン賞2017結果発表

2017年の対象作品は紙の書籍と電子書籍をあわせて全197点。前年に引き続いて沢山の海外マンガ、外国マンガが日本でリリースされ、中でもアメリカのコミックスの刊行点数がとても伸びている話が語られました。その後「センバツ!作品賞」「読者賞」のそれぞれ上位作品が発表され、特別賞の発表では小野耕世さんによる「『オリエンタルピアノ』という飛行体験」という題のつけられた直筆コメントとイラストが紹介されました。

スクリーンに写し出される結果発表

ガイマン賞2017の詳しい結果はこちらからご覧いただけます。

ゲストが語るガイマン賞2017上位作品

最初にガイマン賞2017年の「センバツ!作品賞」で見事1位に輝いた『マッティは今日も憂鬱』を翻訳された柳澤はるかさんから同作品の紹介があり、記念として来場者全員にマンガの主人公のマッティの顔がプリントされた特製クッキーが配られる一幕がありました。それからこの作品がフィンランドでインターネットを通じて発表されて大きな評判を呼んだこと、そこからどういう経緯で日本語の翻訳版が出るに至ったかについてなど、現地フィンランドの出版事情やフィンランド人の持っている気質に関連づけてお話されました。

翻訳者の柳澤はるかさんと、マッティの顔がプリントされた特製クッキー

続いて「センバツ!作品賞」2位の『HERE ヒア』の翻訳出版を企画された国書刊行会編集者の樽本周馬さんによる作品の紹介があり、これまでに担当されたその他の海外マンガ、エイドリアン・トミネの『サマーブロンド』『キリング・アンド・ダイング』(COMIC STREETの『キリング・アンド・ダイング』レビューはこちら)の話から実現しなかった出版企画まで、具体的なタイトルを上げてお話がありました。また『HERE ヒア』に含まれる数々のレファレンスなど、この作品にまつわる裏話を含めた様々な話が披露されました。

『HERE ヒア』を手元にしてお話しする編集者の樽本周馬さん

ガイマン賞2018に向けて

その後、ガイマン賞2017の全体的な傾向が話し合われた後、司会の原正人さんからガイマン賞をこれからどのように展開して行くかといった話題が出て、来場者とも投票のシステムや選考手順について様々な意見が交わされました。最後に柳澤さん、樽本さんから今後の出版予定についてお話があり、2018年に向けて前向きな提案が出たところで、ガイマン賞2017を締めくくるトークイベント「ガイマン賞2017結果発表!」は無事に閉幕となりました。

ガイマン賞2018ではどんな作品が1位に輝くのでしょうか? ガイマン賞2018の対象は、2017年9月1日から2018年8月末までに出版される邦訳海外マンガです。既に出版された作品もありますが、これから出版される作品も、まだまだたくさんあるはず。もしかしたら思いもよらぬ傑作と出会えるかもしれません。邦訳海外マンガのさらなる盛り上がりに期待したいと思います。

About Author

うしおだ きょうじ

フリーのイラストレーター、一方でライター業などイラスト以外の仕事も多い。 新旧問わずマンガと名のつくものは大体好きで、マンガを読むのと散歩が日課。 海外のマンガとは何かと縁があって、子供の頃から良い付き合いをさせてもらっている。 ペット、引っ越し、ランニング、この3つの内どれか1つくらい何とかしたいと5年ほど前から計画中。 だけど計画するだけ。

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