【レポート】世界のマンガについてゆるーく考える会 #9

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日時:2017年11月13日(月) 19時から21時(18時30分開場)
場所:東京都文京区小石川4-14-12 共同印刷本社101ホール
参加者:約40名

通算9回目、2017年最後の「世界のマンガについてゆるーく考える会」です。

冒頭、代表の原から挨拶。今回の全体の構成について説明。いつも通り、前半はレポートや発表中心、中休みの閲覧タイムを挟んで、後半は持ってきていただいた本のプレゼンという構成です。

今回まず発表してくだったのは、フィンランドと日本をマンガでつなぐサークル「さんま雲」を運営されている太田さん。以前、ゆるーく考える会#6には、「さんま雲」のニエアルさんも参加してくださっています。「さんま雲」は11月23日(木)の海外マンガフェスタに出展されるそうで、そこで販売する予定の本やこれまでの活動について話してくださいました。今回の海外マンガフェスタに合わせて、フィンランドの著名なマンガ家レイマ・マキネンさんが来日されるそうで、彼が今鋭意執筆中という新作『満州~マンネルヘイムの日露戦争日記』についても詳しく説明してくださいました。

「さんま雲」の海外マンガフェスタでの出展予定表

レイマ・マキネン『満州~マンネルヘイムの日露戦争日記』の紹介

また、「さんま雲」は、今年9月には、毎年フィンランドで行われているTracon(トラコン)というRPGやアニメ、マンガのファンイベントに出展されたそうで、そのときの様子も写真を交えて紹介してくださいました。イベントそのものはコスプレなどで賑わっているそうですが、シャイなフィンランド人のお客さんはなかなか「さんま雲」のブースに近寄ってくれないのだとか。そこで、フィンランドの有名なお菓子サルミアッキについてアンケートを取るようなパネルを用意したところ、親近感を持って立ち寄ってくれるようになったとのこと。

Traconの紹介

Traconに出展した「さんま雲」

太田さんが持ってきてくれたサルミアッキ

フィンランドのマンガや「さんま雲」の活動にご関心がある方は、ぜひ海外マンガフェスタで「さんま雲」のテーブルを訪れてみてください。

続いて、Comic Streetで「香港漫画入門」を執筆してくださっている香港漫画店の松田さんが、現在開催中の「PLAY! 香港コミックス巡回展」および関連イベントのレポートをしてくださいました。この展覧会は、ブリュッセル(ベルギー)、ヘルシンキ(フィンランド)、東京(日本)、香港で行われる巡回展だそうで、「1960年代から今日までの香港漫画における歴史と発展」を紹介するものだとのこと。貴重な本も閲覧できるそうです。会期は11月16日(木)の14時までなので、ご関心がある方は、この機会にぜひ訪れてみてください。

「PLAY! 香港コミックス巡回展」チラシ

作家によるライブドローイングの様子

続いて、11月後半に行われる海外マンガ関連のイベントの紹介が2点。まずは、デジタルカタパルトの平柳さんが、「台湾漫画で知る 台湾の伝統 昔と今」第2回について紹介してくださいました。今回のこのイベントに合わせ、韋宗成(ウェイ・ゾォンチェン)、AKRU(アクル)、Hambuck(ハンバック)、左萱(サケン)という4人の台湾マンガ家さんたちが来日されるとのこと。韋宗成(ウェイ・ゾォンチェン)さんは『冥戦録』、AKRU(アクル)さんは『北城百畫帖』、Hambuck(ハンバック)さんは『龍泉侠と謎霧人―台湾布袋劇伝説―』、左萱(サケン)さんは『神之郷』を、それぞれ描いていらっしゃいますが、これらを通じて、台湾文化の伝統に迫るイベントになるそうです。『龍泉侠と謎霧人―台湾布袋劇伝説―』と『神之郷』は邦訳を電子書籍で読むことができますので、ぜひこの機会に作品も読んでみてください。

韋宗成(ウェイ・ゾォンチェン)『冥戦録』

続いて、11月25日(土)、26日(日)の2日間にかけて行われる、「BRAVE&BOLD VOL.3」について、運営に携わっている及川さんが紹介してくださいました。すっかり定着した感のあるBRAVE&BOLDは、ライブドローイングやコミッションを中心にした新しいタイプの海外マンガイベント。マンガ家さんやイラストレーターさん、アニメーターさんとすぐ近くで触れ合え、その超絶技巧を間近で見ることができるのが、このイベントの魅力です。今回は総勢30名を超える国内外の一流アーティストが参加するとのこと。またとない機会ですので、ぜひご参加ください。

BRAVE&BOLD VOL.3

この後、休憩を兼ねて、15分程度の閲覧タイム。例によって、参加者の皆さんが持ってきてくださった本が、ところ狭しと並べられています。

当日集まった世界のさまざまなマンガ1

当日集まった世界のさまざまなマンガ2

当日集まった世界のさまざまなマンガ3

当日集まった世界のさまざまなマンガ4

閲覧タイムの様子

後半は全部で6名の方が、自ら持ってきてくださった世界のマンガを紹介してくれました。今回はなんとマンガコラムニスト・批評家としても有名な夏目房之介さんも本を紹介してくださいました。紹介された本は以下の通りです。ご覧の通り、本の国籍はさまざま。表記がわからないものもありますので、著者名、作品名は記さずに、写真だけ並べます。

一般によく知られていないアメリカン・コミックスについての小田切博さんの記事が載った『モデルグラフィックス』誌

WEBコミックスから単行本化されたバンド・デシネ

メキシコ出身の作家トニ・サンドヴァルの作品

アメリカ出身のまだ若い女性作家によるバンド・デシネ

台湾のマンガ家によるほぼサイレントのカラー作品

アイズナー賞も受賞したアメリカの作家のLGBT作品

カナダ人作家による注目作

「ショアーとバンド・デシネ」展カタログ

リンド・ウォードのサイレント作品

台湾マンガを紹介した日本の同人誌

韓国人作家李賢世のマンガ。空港のみで販売されたものだとか

韓国人作家李賢世のまるで絵柄が異なるマンガ

1980年代に中国で出版された『鉄腕アトム』の連環画

Big Little Bookと呼ばれる小型のアメリカン・コミックス

モンドリアンと彼に影響を与えた数学者のことを描いたバンド・デシネ。実は経本みたいな蛇腹本

 

ゲイ・バンド・デシネ

例によってすべての紹介が終わったときには、21時を過ぎてしまいましたが、その後、さらに20分程度閲覧タイムを設け、「世界のマンガについてゆるーく考える会」#9は終了となりました。

次回については改めて告知いたしますが、2018年1月末に「世界のマンガについてゆるーく考える会#10」を予定しています。2018年は2カ月に1回ペースで開催できればと考えています。「世界のマンガについてゆるーく考える会」は、未参加の方、海外マンガ初心者の方、大歓迎のイベントです。どうしようと悩んでいる方、ぜひ気軽にご参加ください。

About Author

原 正人

1974年静岡県生まれ。フランスのマンガ“バンド・デシネ”の翻訳者。訳書にバスティアン・ヴィヴェス『ポリーナ』(小学館集英社プロダクション)、マリー・ポムピュイ、ファビアン・ヴェルマン&ケラスコエット『かわいい闇』(河出書房新社)など。監修に『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』(玄光社)がある。「世界のマンガについてゆるーく考える会」主宰。もちろん日本のマンガも大好き。

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