海外マンガ読書会 第1回:アリソン・ベクダル『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』を読む

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海外マンガを深く読んで皆と語り合ってみたい。
おもしろかったけれど、他の人はどのような点に注目して読んでいるんだろうか?
名前は聞くけど、これを機に得意のジャンル以外にも関心を広げて読んでみたい。
海外マンガに興味はあるけど、どこから読んでいいのかわからない……。

ここ数年、海外マンガの翻訳が飛躍的に増大してきています。ほぼリアルタイムの新作もあれば、古典的作品の翻訳もあります。また、世界の多様なマンガ文化を翻訳によって幅広く概観することができる環境が整ってきました。

ここ1年以内に出版された海外マンガの一部

日本マンガ学会海外マンガ交流部会は発足以来すでに10年にわたる活動実績がありますが、今こそ海外マンガをじっくり読み、共有する場を皆さんとご一緒に作り上げていければと「海外マンガ」読書会を発足してみたいと思います。

「海外マンガ」と一口に言っても、時代も、言語・文化的背景も、手法も、ジャンルも様々です。一つの作品を共有し、参加者の皆さんのそれぞれの見地を活かしながら、海外マンガのおもしろさをご一緒に共有してみませんか?

様々な切り口から楽しむことができるのは文化作品としてのマンガならではですし、「このように読まなければいけない」という一つの解釈があるわけでもありません。読書会の進め方は模索しながらということになりますが、まずは対象となる作品について、私たちそれぞれがどのような要素に注目し、どのような感想をもったのかを共有するところからはじめてみましょう。

テーマから、ジャンル、表現技法、ストーリーテリング、日本のマンガや、映画、文学など他のメディアとの比較など様々な観点から、参加する皆さんの声を交換しあうことで、海外マンガをより楽しく、深く、幅広く、多面的に味わうことができればと思います。

視覚文化であるマンガの特性として、その場でも作品の特徴や読みどころの一端をつかむこともできます。まずは様子を探りながら、読書会をきっかけに、より深く読んでみようという参加の仕方もありうるでしょう。

第1回読書会の対象作品としてとりあげるのは、アリソン・ベクダル『ファン・ホーム』。

海外マンガ読書会 第1回
取り上げる作品:アリソン・ベクダル『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』椎名ゆかり訳(小学館集英社プロダクション)
日時:2018年10月13日(土)15時~17時30分
場所:東京都千代田区神田神保町3-8 専修大学 神田校舎 7号館 771教室(地図
7号館の位置はこちらでご確認ください
参加無料
主催:日本マンガ学会海外マンガ交流部会
※今回は特に事前申し込みは必要ありません。当日、直接会場にお越しください。

アリソン・ベクダル『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇〈新装版〉』(椎名ゆかり訳、小学館集英社プロダクション、2017年)

2006年に原書が刊行されて以降、すでにアメリカの女性作家によるグラフィック・ノベルの古典に位置づけられており、ブロードウェイミュージカル版もトニー賞(2015年)5部門を受賞するなど高い評価を受けています。2018年2月にはシアタークリエにて日本版ミュージカルも公開され話題となりました。同性愛とアイデンティティをめぐる問題、父と娘の物語、回想(メモワール)、文学作品への言及、米国女性コミックス表現の可能性、エッセイマンガやミュージカル版とのメディア比較、作画法など様々な観点から読みどころに満ちた作品です。

ご参考までに、邦訳版の出版社小学館集英社プロダクションさんが本書の新装版の刊行に合わせ、特設サイトを立ち上げ、本書に対するさまざまな反響を紹介されています。
『ファン・ホーム』『新装版』刊行特設ホームページ

このComic Streetでも、原正人さんとCJ・スズキさんが『ファン・ホーム』についてレビューを書かれています。
原正人「虚飾のディレッタントとしての父親の肖像―アリソン・ベクダル『ファン・ホーム~ある家族の悲喜劇』」
CJ・スズキ「失われた家を求めて―アリソン・ベクダル『ファン・ホーム』」

テキストは小学館集英社プロダクションから刊行されている「新装版」(椎名ゆかり訳、2018年刊行)としますが、「2011年版」でも、原書でも結構です。邦訳版の翻訳者、椎名ゆかりさんもこの読書会に参加してくださる予定です。

多くの皆様のご参加をお待ちしております。

「海外マンガ読書会」運営
中垣 恒太郎
原 正人
椎名 ゆかり

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About Author

中垣 恒太郎

1973年広島県生まれ。専修大学文学部教授。アメリカ文学・比較メディア文化研究。大学では「思春期文化論研究ゼミ」を展開。米国と日本を軸にした女性のコミックス/マンガ表現をめぐる比較文化研究、さらに、欧米で注目されている「グラフィック・メディスン」の動向を踏まえた医療マンガの比較文化研究に関心を寄せています。日本マンガ学会海外マンガ交流部会(部会代表は小野耕世氏)ほか、女性MANGA研究プロジェクトなどに参加。

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