アメコミ入門 – 第1回 アメコミってどんなもの~アメコミという言葉の不思議

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私たちが日頃何気なく使っている言葉”アメコミ”。近年ではそれらを原作にした映画が数多く上映され、毎日の暮らしの中でも目にする機会がとても多い言葉になりました。しかしアメコミ、つまりアメリカのコミックスとは一体どういったものなのでしょうか? そこであらためてアメコミにはどんなものがあるのか、参考になりそうな資料をいくつか並べて写真に撮ってみました。

アメリカのコミックスが掲載された紙媒体の例

写真の一番左に写っている新聞は『ニューヨークタイムズ』の国際版で、いくつものコミックスが掲載されています。『猫のガーフィールド』、『カルヴィンとホッブス』、『ドゥーンズベリー』などどれも有名な作品ばかりですが、中でも有名なのが犬のスヌーピーが登場する事でお馴染み、チャールズ・シュルツの『ピーナッツ』でしょう。

新聞連載をまとめた『ピーナッツ』の単行本(上)と新聞に掲載されたもの(下)

ご覧の通りこれらのコミックスは至ってシンプルな構造をしています。
このようなものは一般に”コミック・ストリップ”と呼ばれ、ちょうど日本の4コママンガをそのまま横向きにしたような格好になっています。コミック・ストリップは今でも一般的に見られるコミックスの形式で、写真にあるようなニュースペーパー・コミック・ストリップがその典型と言えるでしょう。


スーパーヒーローのアベンジャーズ(左)と高校生のアーチーと仲間たち(右)

そしてその隣にあるのが、ご存知”コミック・ブック”です。ある意味ではアメコミを象徴する形式で、日本のマンガには見られない非常に特異な本になります。写真に写っているコミック・ブックは、マーベル・コミックスの『アベンジャーズ』と、アーチー・コミックスの『アーチー』で、どちらもアメコミを代表する作品です。

コミック・ブック版(左)、ペーパーバック版(中央)、ハードカバー版(右)

コミック・ブックは、日本の一般的なマンガ雑誌に比べるとずっと薄型で、一般的なマンガ単行本と比べても判型はかなり大きくなります。大きさはA4サイズよりもやや小さくて、中とじフルカラー印刷されたものがメジャーな形式です。更に近年ではコミック・ブックの連載が続くと、内容をひとまとめにしたペーパーバック形式、またはハードカバー形式の再録版が発売される事が多くなっています。

『マッド』に掲載されたカートゥーン(左)と『ザ・ニューヨーカー』に掲載されたカートゥーン(右)

そして一番右にあるのが最もシンプルな形式、1コマもののコミックスを多数掲載した雑誌になります。これらは一般にカートゥーンと呼ばれ、コミックスの中でも最もシンプルな様式になります。写真のようなコンデナスト社の『ザ・ニューヨーカー』に掲載されているエディトリアル・カートゥーンや、『わんぱくデニス』に代表されるファニーなカートゥーンがその典型になります。また前述のようなコマが連続するコミックと分ける意味で、単に“パネル”と呼ばれる事もあります。

アメコミという言葉に内包される様々なメディア

大きく分けると以上のようなものがアメリカのコミックスとして一般的に流通している形式になります。ですがカートゥーンは図像の概念、コミック・ストリップは表現形式、コミック・ブックは出版形態としての意味合いが強く、本来ならばお互い違うグループに属する言葉です。とても不思議な分類法ですが、便宜上そのように分けるのが最も分かりやすいアメリカのコミックスの分類であり、私たちはそれらをまとめて“アメコミ”と呼んでいます。

それぞれに違ったテーマやジャンルを取り扱ったアメコミたち

最後に肝心の”アメコミ”の中身についても触れておきましょう。当然のように、アメコミにも日本のマンガと同じく様々な内容を扱ったコミックスが存在しています。子供向けの可愛いらしいもの、動物もの、学園ものから、恋愛、歴史、犯罪、SF、ホラー、ギャグなどなど。もちろんエロティックなコミックスも数限りなく存在します。中でもスーパ−ヒーローものと呼ばれるコミックスは今一番の花形ジャンルで、その出版タイトル数と内容のバラエティーの豊かさにおいて、一つのジャンルに括りきれないほどの充実を誇っていると言えるでしょう。

このように広く、深い”アメコミ”の世界を理解するために、これから数回にわたってあらためてアメコミについて考えて行きたいと思っていますので、次回もおつき合いのほどをどうぞよろしくお願いいたします。


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About Author

うしおだ きょうじ

フリーのイラストレーター、一方でライター業などイラスト以外の仕事も多い。 新旧問わずマンガと名のつくものは大体好きで、マンガを読むのと散歩が日課。 海外のマンガとは何かと縁があって、子供の頃から良い付き合いをさせてもらっている。 ペット、引っ越し、ランニング、この3つの内どれか1つくらい何とかしたいと5年ほど前から計画中。 だけど計画するだけ。

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