「海外マンガフェスタ2017」レポート(2)

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茨城大学人文社会科学部「視覚表現論(H29)」(担当教員:猪俣紀子)を受講する大学生チームがお送りする「海外マンガフェスタ2017」レポート。第2弾となる今回は、メインステージで行われていたイベントとMap中央のさまざまな企業や団体が出展するCompany and Instituteエリアについて紹介します。

オレンジで囲んだ箇所がメインステージ。
緑で囲んだ箇所がCompany and Instituteエリア

メインステージでは、台湾やアメリカ、さらには日本など、世界中のマンガ家さんたちによるライブドローイングやトークライブが行われました。

当日のメインステージのスケジュールは以下の通りです。

演目一覧
11:00 オープニング
11:10~12:00 Live Drawing 姫川明輝
12:10~12:50 Live Drawing & TALK「台湾マンガの今」  Hambuck・左萱+平柳竜樹
13:00~13:50 TALK LIVE Special Talk Live(望月ミネタロウ×ブライアン・リー・オマリー)
14:00~14:50 Live Drawing フィリップ・タン
15:00~15:50 Live Drawing デビッド・マック
姫川明輝先生のライブドローイングは中止になりました

ここでは特に筆者が参加した台湾のマンガ家Hambuck先生と左萱先生によるライブドローイング&デジタルカタパルト株式会社の平柳竜樹さんによるトークライブについて紹介します。

ライブドローイングやトークライブが行われた
メインステージ

Hambuck先生と左萱先生が絵を描いているあいだ、平柳さんが「台湾マンガの今」というテーマで2人の作家さんのお仕事を中心にトークを進めます。

ライブドローイングをする左萱先生(左)とHambuck先生(右)

Hambuck先生の作品で紹介されたのは、邦訳もある『龍泉侠と謎霧人―台湾布袋劇伝説―』(Comic Catapult)。Hambuck先生が幼い頃から家族全員で見ていたという中華圏の人形劇「布袋劇(プータイシー)」を題材とした作品です。詳しいストーリーについては、こちらをご覧ください。

Hambuck『龍泉侠と謎霧人―台湾布袋劇伝説―』

そして、左萱先生の作品の中で紹介されていたのは、やはり邦訳のある『神之郷』 (Comic Catapult)。左萱先生自身の故郷でもある大溪(ダーシー)が舞台の作品です。『神之郷』のあらすじはこちらをご覧ください。左萱先生が2年にわたって、幾度もの大溪取材で得たものを下敷に現地の風景を綿密に描き上げ、キャラクターの感情を丁寧に描いたとのことです。平柳さんによると、本作の中では、故郷の祭りの光景や主人公が故郷に帰ってきた様子が見事に描かれています。特に後者については、都市部のきれいに舗装された道路と田舎の舗装されていない道とで、車の揺れが異なった描かれ方をしているとのこと。左萱先生は擬音を巧みに使い分けているのですが、そうすることで、主人公が帰郷したと実感する様子が、読者によりリアルに伝わるのだそうです。

左萱『神之郷』

この2つの作品に共通しているのは、子どもの頃から身近にあった伝統的な文化を描いているということです。マンガを読むことが、他の国の文化などに触れる機会になるということを強く感じました。1時間程度の短い時間でしたが、丁寧かつわかりやすい紹介で、今まであまり触れる機会の少なかった台湾マンガについて知ることができる良い機会でした。

このライブドローイング&トークのあとも、望月ミネタロウ先生×ブライアン・リー・オマリー先生のトークライブ、フィリップ・タン先生のライブドローイング、デビッド・マック先生のライブドローイングと、魅力的なプログラムが続きましたが、筆者は他のエリアの取材のために、後ろ髪を引かれる思いでメインステージを離脱……。望月ミネタロウ先生とブライアン・リー・オマリー先生のトークライブは別の学生がレポートする予定です。

次に、訪れたのは、さまざまな企業や団体が出展するCompany and Instituteエリア。今年は全部で19の企業・団体が出展し、海外マンガフェスタを盛り上げました。出展していた企業・団体は多岐にわたります。紀伊國屋書店のような書店もあれば、コミックカタパルト(メインステージに登場した先生方のサイン会を開催していました)、フェーズシックスを始めとする出版社もあり、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、その他世界各国のマンガが原書や邦訳で販売されていました。壽屋(コトブキヤ)ではフィギュアが販売され、さらに、カラーマーカーを扱うコピック、マンガ家描き下ろしTシャツを販売するClub Tなども出展していました。また、スペイン語圏文化の普及を目的としたセルバンテス文化センターやカナダのトロントで毎年開催されているトロント・コミック・アート・フェスティバル(同フェスティバル創立者クリストファー・ブッチャーさんのインタビューはこちら)といった文化施設やフェスティバルの出展も見られました。

左萱先生による直筆サイン

コピックのブース

出展者の方々に今回の出展理由を聞いてみたところ、多くの人たちから「お客さんや関心を持ってくれる人たちに実際に会って、生の反応を得られると、新鮮な刺激になるから」と、返事が返ってきました。そういえば、海外マンガフェスタ実行委員長のフレデリック・トゥルモンドさんは、イベントステージ上で、海外マンガフェスタを「日本から世界へ」、「世界から日本へ」を実現する「国境なき交流の場」と表現していました。その言葉の通り、ここでは「国境なき交流」が行われているのだなと感じました。

(執筆:TM、AK、HK)


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About Author

茨城大学「視覚表現論(H30)」

茨城大学人文社会科学部の開講する平成30年度「視覚表現論」(担当教員:猪俣紀子)の受講生。3、4年生29名。バンド・デシネ作品の邦訳作品を読んで発表するなど、授業の中で海外マンガを取り扱っている。

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