「北九州国際漫画祭2017」訪問レポート

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2017年12月23日(土)から福岡県北九州市にある北九州市漫画ミュージアムで、「北九州国際漫画祭2017」が開催されています。会期は2018年1月21日(日)まで。

「北九州国際漫画祭」は、昨2016年、「北九州国際漫画大賞」の設立とともに始まった漫画祭で、「北九州国際漫画祭2016」では、韓国デジタルコミック展、オーサ・イェークストロムさん『さよならセプテンバー』複製原画展、ガイマン賞トークライブ、バラック+ヴィヴェス+サンラヴィル『ラストマン』複製原画展など、さまざまな展示やイベントが行われました。

今年の「北九州国際漫画祭2017」は、さらにパワーアップして、昨年以上に盛りだくさんの内容! 筆者は、「ガイマン賞2017」トークイベントに出演するため、2018年1月7日(日)に同館を訪問。お仕事がてら、「北九州国際漫画祭2017」をたっぷり満喫してきましたので、このComic Streetでレポートしちゃいます。

「北九州国際漫画祭2017」チラシ表

「北九州国際漫画祭2017」チラシ裏
展示やイベントが満載

北九州市漫画ミュージアムがあるのは、JR小倉駅のすぐ近く。駅には、北九州市ゆかりのマンガ家で、北九州市漫画ミュージアム名誉館長でもある松本零士先生の『銀河鉄道999』をモチーフにした銅像も。

JR小倉駅小倉城口。頭上にはモノレールが

新幹線口にあるメーテルと鉄郎像

JR小倉駅新幹線口から歩いて2分「あるあるCity」の5階・6階という抜群の立地。「あるあるCity」は「アニメ・漫画・ゲーム・アイドルなど、多くの情報と触れ合うことができる」商業施設とのこと。実際、地下から7階まで、実にさまざまなテナントが入っていて、ここだけで余裕で一日つぶせそうです。

北九州市漫画ミュージアム外観

さて、北九州市漫画ミュージアムのエントランスは、このあるあるCityの6階。受付にはメーテルさんがいて、その隣のキャプテンハーロック像ともども迎えてくれます。開館時間、入館料などが記された「利用案内」はこちら

エントランス

受け付け横のキャプテンハーロック

館内は6階が常設展示エリア、5階が企画展示エリアとなっています。フロアマップはこちら。6階の常設展示エリアをちょっとご紹介すると、こんな感じ。

「北九州発・銀河行き~松本零士を生んだ街」コーナー

森雪もいます

歴代のマンガの名作がズラリと並んだ「漫画タイムトンネル」

その反対側の壁にはマンガの名ゼリフが

「閲覧(よむ)ゾーン」ではマンガを自由に読むことができ、多くのお客さんで賑わっているのですが、その一角には邦訳海外マンガを置いたガイマンコーナーも。2017年12月に発表されたガイマン賞2017の結果発表展示も行われていました。

 

ここ数年で出版された邦訳海外マンガも近くの棚にまとめて並べられています。こうしてみると、かなりの海外マンガが邦訳出版されているいことが、改めて確認できます。

さて、「北九州国際漫画祭2017」が行われているのは、5階の企画展示エリア。エスカレーターで降りると、同祭のポスターが。無料で観覧できます。

「北九州国際漫画祭2017」企画展示入口

中に入ると、台湾マンガ張季雅(チョウキヤ)さんの『異人茶跡(いじんちゃせき)』の主人公2人がお出迎え。「北九州国際漫画祭2017」では、さまざまな海外マンガの展示が行われていますが、最初の展示は、「漫画で親しむ台湾の文化と歴史」です。

『異人茶跡』の主人公ジョン・ドッド(左)と李春生(右)

「漫画で親しむ台湾の文化と歴史」展入口

台湾のマンガはここ数年、コミックカタパルトが精力的に電子書籍で出版しています。今回の展示もコミックカタパルトを運営するデジタルカタパルトの協力で実現したのだとか。邦訳作品も未邦訳作品も含めて、台湾マンガがたっぷり紹介されています。

邦訳・未邦訳作品の展示がズラリと並ぶ

「北九州国際漫画祭2017」のビジュアルにも採用された張季雅『異人茶跡』

『神之郷(かみのふるさと)』が邦訳されている左萱(さけん)さんの未邦訳作品『五味八珍の歳月』。
これは読んでみたい!

台湾マンガがこんなに。未邦訳のものもたくさん。
自由に閲覧できます

左萱(さけん)さんの『神之郷(かみのふるさと)』のキャラクターたちに見送られて「漫画で親しむ台湾の文化と歴史」展を後に。九州は立地的に台湾、韓国、中国といった東アジア、それから東南アジアにも近いわけで、北九州市漫画ミュージアムには、ぜひこういった地域の海外マンガを紹介する窓口にもなってもらいたいところです。

左萱『神之郷』のキャラクターたち

続いて「チェコ・コミックの100年展」。東京の米沢嘉博記念図書館で行なわれている「~日本におけるチェコ文化年2017~チェコ・コミックの100年展」(会期:2017年9月29日[金]~2018年1月28日[日])の巡回版です。

「チェコ・コミックの100年展」その1

「チェコ・コミックの100年展」その2

「チェコ・コミックの100年展」その3

「チェコ・コミックの100年展」その4

来る1月20日(土)14時からは、チェコ国立科学アカデミー・チェコ文学研究所研究員パヴェル・コジーネクさんによる講演「チェコ・コミック通史-20世紀を生き抜いたチェコ・コミック-」が、北九州市漫画ミュージアム5階企画展示室で行われるとのこと。ご関心がある方はぜひご参加ください。ご参考までに、当Comic Streetによる米沢嘉博記念図書館「~日本におけるチェコ文化年2017~チェコ・コミックの100年展」レポートはこちら。

「チェコ・コミックの100年展―100 Years of Czech Comics」訪問レポート
「チェコ・コミックの100年展―100 Years of Czech Comics」第2期訪問レポート

まだまだ続きます。次は「〈ケベック・バンド・デシネ〉を知っていますか?」展。こちらも京都国際マンガミュージアムで行われている「〈ケベック・バンド・デシネ〉を知っていますか? ――25の足跡と7人の作家から」展の巡回版。

 

「〈ケベック・バンド・デシネ〉を知っていますか?」その1

〈ケベック・バンド・デシネ〉を知っていますか?」その2

〈ケベック・バンド・デシネ〉を知っていますか?」その3
来日中のズヴィアンヌさんの展示

ご参考までに、京都国際マンガミュージアムの「〈ケベック・バンド・デシネ〉を知っていますか?」展訪問レポートはこちら

そして最後に、「第2回「北九州国際漫画大賞」受賞・優秀作品展」。「北九州国際漫画大賞」は昨2016年から始まった賞で、期間中に、プロ・アマ問わず応募された、未発表の4コマ漫画が対象。第2回となる今回も、2017年7月1日(土)~9月30日(土)にかけて応募された多くの作品の中から、各賞が選ばれました。今回展示されているのは、文字通り、その第2回「北九州国際漫画大賞」の受賞・優秀作品です。「国際」の名は伊達ではなく、作品は、日本国内からだけではなく、世界中から送られてくるのだとか。今回も、台湾の作家さんが、「海外部門賞」と「asianbeat FUKUOKA, JAPAN賞」を受賞しています。

「第2回「北九州国際漫画大賞」受賞・優秀作品展」その1

「第2回「北九州国際漫画大賞」受賞・優秀作品展」その2

「第2回「北九州国際漫画大賞」受賞・優秀作品展」その3

「北九州国際漫画大賞」受賞作品は以下からご覧いただけます。

「北九州国際漫画大賞」第1回受賞作品一覧
「北九州国際漫画大賞」第2回受賞作品一覧

「北九州国際漫画祭2017」開催中は、展示だけではなく、さまざまなイベントも行われました。イベント一覧は以下の通り。

■12月23日(土祝) 13:00~16:30
「北九州現代文化研究会」第4回公開研究会

■1月7日(日)14:00~16:00
「ガイマン賞2017」トークイベント
出演:原正人(翻訳家・ガイマン賞実行委員会)

■1月14日(日)14:00~17:00
台湾作家によるトークと作画実演
出演:李隆杰[リ・ロンジェ]、KINONO[キノノ]、左萱[サケン]

■1月20日(土)14:00~16:00
講演「チェコ・コミック通史-20世紀を生き抜いたチェコ・コミック-」
講師:パヴェル・コジーネク(チェコ国立科学アカデミー・チェコ文学研究所研究員)

筆者が参加した「ガイマン賞2017」トークイベント会場

パヴェル・コジーネクさんによる「チェコ・コミック通史-20世紀を生き抜いたチェコ・コミック-」はまだこれからですので、ご関心がある方は、ぜひご参加ください。

ということで、駆け足で紹介しましたが、実に盛りだくさんの「北九州国際漫画祭2017」。2018年1月21日(日)まで開催中です。お近くにお住いの方、あるいは旅行等で北九州を訪れる予定がある方は、ぜひ北九州市漫画ミュージアムまで足を延ばしてみてください。


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About Author

原 正人

1974年静岡県生まれ。フランスのマンガ“バンド・デシネ”の翻訳者。訳書にバスティアン・ヴィヴェス『ポリーナ』(小学館集英社プロダクション)、マリー・ポムピュイ、ファビアン・ヴェルマン&ケラスコエット『かわいい闇』(河出書房新社)など。監修に『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』(玄光社)がある。「世界のマンガについてゆるーく考える会」主宰。もちろん日本のマンガも大好き。

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